











次はリラックスポジション














最後に診察室に慣れてもらうために




次はリラックスポジション
最後に診察室に慣れてもらうために
練馬区 西東京市の動物病院
南大泉せき動物病院です
後編でございます
断定しなければならないものの一例
悪性リンパ腫、自己免疫疾患
双方治療にはステロイド、プレドニゾロンを使用します
診断後に
リンパ腫:化学療法
自己免疫疾患:免疫抑制
異なる治療を行います
腸管に発生した場合、似通った症状がでることが多く
下痢、低タンパク、嘔吐、腸炎のサイン
この二つを症状から鑑別することが困難です
試験的にステロイドの治療を行うと一時的に良くなったように見えます
しかし
悪性リンパ腫の場合ステロイドを初期に投与していると
以降の化学療法、抗がん剤が効きにくくなってしまうことが知られています
年齢、犬種などからこれらが強く疑われる場合は
試験的治療の前に積極的な検査をお勧めします
では最終的にどう診断するか
開腹下で腸管を一部切り取り、病理診断をすることでほぼ確定できますが
開腹手術を躊躇われることも多いです
それもよく分かるのですが
それ以降の治療が変わってくることを考えると
腸生検も考慮しなくてはなりません
開腹よりも侵襲性が低い内視鏡(胃カメラ)で診断できるかというと・・・・・・
腫瘍が粘膜よりも深い組織でできている場合は
診断できないこともあり結果の解釈には注意が必要です
案の定おなか壊しました
練馬区 西東京市の動物病院
南大泉せき動物病院です
なかなか心配させてくれます
腎数値とともにリンも上がりきってしまい
それに伴い赤血球、ヘモグロビンも下がり。。。
プレドニゾロンを減量すれば、
CRP(炎症タンパク)があがり。。。
あれを足して、これを引いて
維持量を決めていけるところまできました
皮下点滴を毎日行っています
心臓への影響も少なからずあるため
腎数値を下げられるくらいの量は入れられません
現状ホームの心臓はエコー検査で悪化はなく、頑張ってくれています
全薬から出ているアゾディルも加えております
心腎連関、という病態があります
ちょっと語弊がありますが
心臓のための治療と腎臓のための治療が相反することが多いのです
腎臓のためには点滴をして血流を増やし、腎血流量(糸球体濾過量GFR)を増加させます
しかし血液量が増えることで心臓がいっぱいいっぱいになり肺水腫
心臓を楽させたいので血圧を下げ、利尿薬を用いれば
血液量が減り、腎血流量が減り腎数値が上がる(高窒素血症)
腎臓病が進むと、腎性貧血、さらに血流が減る
ぐるぐると悪循環へと陥ります
それぞれに”いい塩梅”で多すぎず、少なすぎずの治療を展開せねばなりません
ホームはここに免疫介在性の病気も加わります
心配は尽きません
すごく良いわけではありません
いつものようにごはんを食べて、散歩して
そんな”いつも”を何事もなく過ごせるように
頭の中で体の中を想像し、予想しお薬を組み立ててます
家からうちわがなくなりました
2つあったはずですが
気付くとこんなんに
子供うちわはがし大会に出た際には応援をお願いします
練馬区 西東京市の動物病院
南大泉せき動物病院です
例えばよくあるお話
今日から下痢、若齢 の子
食欲はあるのか、嘔吐も伴うのかの稟告を取り
検査をどこまで行うか決めていきます
食欲もあり、嘔吐もなしの場合
一過性の下痢を第一に考えます
原因は何ですか?
食べすぎであったり、食事の変更であったり、ストレス性であったり
断定はちょっと困難です
もちろん慢性の下痢であれば
原因を探るため、見落とさないために検査範囲を広げてみます
例えばよくあるお話
どこか痛がる、若齢、食欲元気問題なし
動物たちはここが痛い!と言ってくれないので触診、視診してみます
うーん、どこ触っても痛がらない
こんなとき多いのは脇を痛めたり(神経なのか筋膜なのか)
可能性は低くなるけど頸椎、腰椎の痛み
レントゲン検査で明らかな異常はみられません
”主観”である痛み
「ここが痛い」と言ってくれない動物たち
診断を確定するには客観的な評価が必要です
客観的な評価とは検査の異常
としたら追加で麻酔下CT検査
どこかに骨の変化がないか、関節の変化がないか
どこかに腫瘍が出来ていないか
痛みの場所を特定できていないため全身くまなくの必要があります
おそらくそれでも異常はみられないでしょう
みられない、ということは病気を除外できるので大切なことです
しかしながら若齢の子にいきなり侵襲性の高い検査をする必要があるのか
と考えますのでまずは痛み止め
非ステロイドの痛み止めに反応してくれました
となるとやはり痛めたのかなぁとなるわけです
反応しなければ、次の検査に進みましょう
もちろん高齢であれば慢性の疼痛を患っていることや
腫瘍や免疫疾患なども考慮しなければなりません
診断名をつけるということは客観的な評価が必要です
病理診断や、血液検査、ホルモン検査
レントゲン検査やCT検査
軽症で一過性の場合
これらの検査に引っ掛からないことが多く
逆に言えば
これらの検査で変化があるということは軽症でないことになります
症状が一過性の場合、対症治療で治ることが多く
原因を断定することよりも治療を優先します
診断まで一気につけることもありますが
費用と動物たちの負担を考えると
状況によっては診断的治療が有効なことも多いです
一方慢性経過や急性で劇症な場合は
見落としがない様
今後の投薬のために診断をつける必要性があります
続きは後編
先日お祭りに行きました
新しい靴を履いていきました
じゃりじゃりが嫌だったんでしょうね
さらに靴裏についたキャベツが嫌だったんでしょう
靴に乗って甘えてくる可愛いなぁ
甘かったです
キャベツを譲渡されました
マルチーズの大福ちゃん
トイプードルのユズちゃん
ミックスのクッキーちゃん ショコラちゃん
トイプードルのププちゃん
アイコンタクトが出来る事によって、その後の指示(お座りやマテ)をわんちゃんが落ち着いて聞くことができます!
ご参加ありがとうございました
練馬区 西東京市の動物病院
南大泉せき動物病院です
指が汚れるのがすごく嫌みたいです
食事中も結構な頻度で指を拭かされます
拭かないとテーブルにこすりつけてます
南大泉せき動物病院です
肥満細胞腫 後編です
放射線療法、化学療法、分子標的治療薬
どれを使うかは発生してしまった場所によりますし、
本人の性格、治療への許容、飼い主さんの許容によって
これらは変化します
化学療法(抗がん剤)は細胞分裂の盛んな細胞
(この場合、腫瘍細胞、骨髄細胞、腸管粘膜の細胞)をターゲットにするため、体の正常な細胞にも効果が表れてしまいます
もちろん有害な作用が出ないように薬用量を考慮します
しかし用量が少なすぎれば、腫瘍への効果も少なくなってしまいます
最大許容量をしっかり入れたほうが有効です
有害な作用、例えば嘔吐、下痢
白血球の低下から発熱、日和見感染を起こしてしまうと続けるのがつらくなってしまうのも事実です
しかし有害な作用を起こした子の方が予後は長い
というお話もあるため、用量を下げすぎるのは禁物です
その辺のお話はまたリンパ腫のお話のときに
ここで出てきた分子標的治療薬
現在犬の肥満細胞腫への承認が取れている「パラディア」という
お薬があります
正常な細胞と、腫瘍細胞の遺伝子の違いを狙って攻撃してくれるお薬です
そのため化学療法に比べ副反応も少なく、長期投与も視野に入れられます
難点は
少々お高いこと
化学療法のプログラムと違い、”いついつまで投与”の指標がないこと
完治を目的とした治療ではないこと
最近では肥満細胞腫だけではなく、
ほかの腫瘍への使用報告も多くなってきました
腫瘍を切除した後の、転移の抑制
切除不可能な腫瘍への緩和、減容積目的
など今までは抗がん剤に頼っていた治療が変わってきています
(今までのお話は現時点での治療であり、今後新しい知見が出た際には変わってきますのでご了承ください)
練馬区 西東京市の動物病院
南大泉せき動物病院です
ホームさん
あれからステロイド、プレドニゾロンを徐々に減らし(漸減)ました
調子は良さそう
ごはんの催促、散歩の催促もちゃんとしてます
CRP(炎症反応)再検査
高い・・・・・・
5.2 (基準値 <0.7)
ちょっと前置きを
自分の免疫が自分の細胞を攻撃してしまう病気を自己免疫疾患と呼称します
赤血球を攻撃すれば、免疫介在性貧血
皮膚の細胞を攻撃すれば天疱瘡やエリテマトーデスなど
免疫介在性関節炎は関節を攻撃してしまうことにより起こる病態です
さらに大きく分けて
・びらん性
・非びらん性
に分けられます
びらん性で有名なのはリウマチですね
レントゲンで関節の骨、軟骨が変化を起こして見た目に痛そうです
非びらん性の場合
関節炎と名前はついていますが、足の跛行(歩き方の異常)がすべての症例で出るわけではなく
なんとなく元気がない、程度の症状のことも多い病気です
疑う所見は
軽度発熱(38℃後半から39℃後半)
CRPの上昇
そのほかに異常なし
の不明熱と呼ばれる場合にはちょっと怪しむわけです
さてホームさん
レントゲン、エコーを再度しました
ホームさんは
軽度発熱、CRP上昇はありますが
レントゲン、エコーでは病変を確認できません
そこで
関節液検査となりました
関節液は正常では細胞も見られず、トロっとしていますが
このときの関節液はサラサラ、少数ながら白血球もみられます
ホームの関節はレントゲンで変化がないため
免疫介在性非びらん性関節炎を第一に疑います
さらに全身性エリテマトーデスというもっと恐ろしい病気も
鑑別に入りますが抗核抗体検査では陰性でしたのでほっとしました
治療はステロイド、プレドニゾロンが中心となります
最初は多めに投与していき、徐々に減らし維持量を決めていきましょう
完全に休薬できることもありますが、再発することも多く
維持量を続けることになると思います
まだ心配なところもありますが
おうちでは元気いっぱい、よく食べよく寝てよく散歩します
病院に来た時のホーム
練馬区 西東京市の動物病院
南大泉せき動物病院です
キャバリアレスキューから預かっているホームのお話
しばらく体調を崩していました
状態は良くなっています
ほぼ良いと言っていいのです
が
私が心配症だからという話もありますが
なんだかんだ愛着がわいているからか
少し心配が残っています
いつかは里親に、と思っていましたので出来るだけ肩入れしないように
と触れ合ってきましたが
体調の悪いこの子をみると、そうも言ってられませんでした
5日くらい前、下痢をして
ごはんへの食いつきが少し落ちていること
夜にすぐ血液検査
以前の健康診断でも赤血球がすこし低めでしたが
今回はほかにCRPが上昇していました
CRPというのは炎症を示す数値です
体の”どこに”まではわかりませんが
”どこか”に炎症があるのは確かです
超音波検査ではおなかの中、腹腔内の脂肪層が白く見えます
以前も(ナファモスタットが地球を回す)ブログでお話ししましたが
白い、ということは炎症を疑う所見です
膵炎の数値V-LIPは上昇していません
単なる下痢、だけでここまであがるかな?、と見落としがないように
X線検査
肺野の気管支が軽度の気管支パターン(気管支炎を疑うような)
風邪?的な?
いやいや、動物にいわゆる”風邪”はありません
とするとどこかに腫瘍が?
肝臓、脾臓、腎臓、前立腺、腹腔内リンパ節、腸管
心臓内、心臓外、胸腔内
とくにありませんでした
腎臓に一部シスト(液胞)、脾臓に変わらずしこりはありますが
以前からあるもので変化はしていません
前述のナファモスタット、抗生剤にも反応し
数値は下がり、本人の臨床症状も1日ほどで良くなってくれました
いつもの表情に戻っています
心配な点
今回の治療中にリンの数値が若干上昇、BUN(血液尿素窒素)の上昇がみられました
腎臓の影響からも上昇しますが、筋肉などの損耗からも上昇します
ただ、腎機能に予備能(正常に保とうとする力)がきちんとあれば
よっぽどでなければ上昇しにくいです
BUNは循環からも変化します
心臓循環が低下すると、腎臓への血液も減りBUNも上昇します
また腫瘍性、上皮小体機能からも上下しますが
カルシウムの上下を伴っていないことから、違う可能性が高いです
軽度の貧血ですが、ホームは預かったときから低めでした
甲状腺機能低下症によるものと考えています
また腎機能低下からも腎性の貧血が進むことも知られています
慢性の炎症からもACD(炎症性の貧血)が進むことがあり
今回は病態が相互に影響したものと推測しました
ぐんぐん減るようであれば、骨髄検査も考慮しますが落ち着いており
末梢血液に怪しい細胞も変化もありません
あとはCRPが下がったとはいえ、下がり方が少々遅いことでしょうか
下痢、気管支炎、腹腔の炎症 CRP上昇
血液循環、腎臓流入量の低下からBUNとリンの軽度上昇
が可能性としては高いでしょう
治療への反応は良かったです
たぶん心配性なだけ
ちょっと難しい単語、お話もありましたが
他のキャバリアさん、預かりさんのためにもそのままの言葉で書きます
今後は腎機能の低下を考え
腎臓用のごはん
リン、窒素の吸着剤
を追加
ピモベンダン(心臓のお薬)の増量
で対応していきます