カテゴリー: 動物の病気について

猫の形質細胞性足皮膚炎 

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

猫の肉球

字面だけでもかわいい猫の肉球

触ってますか?

 

フニフニしていますよね

 

猫の形質細胞性足皮膚炎という病気があります

 

 

フニフニの肉球がかさかさしてくる

歩き方がぎこちなくなる

ジュクジュクしてくる

出血することも

 

 

こんな感じで症状が進むことが多いです

上と下の写真

色が違うのがわかりますよね?

 

 

この病気

過剰免疫やアレルギーの可能性が示唆されていますが

あまりよくわかっていません

 

 

また猫後天性免疫不全症ウイルス(猫エイズ)や

猫白血病ウイルスが関与していることもありますが

感染していない猫も発症します

 

 

症状のある肉球を切除して病理診断すると形質細胞(免疫細胞)が

たくさん検出されることから免疫介在性とされていますが

直接の原因はいまだにわかりません

 

 

 

副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤

免疫調整作用のある抗生剤ドキシサイクリンで治療します

この辺りが効くことからも過剰免疫だと考えられています

ドキシサイクリンで治療することが多いですが

病変の切除が必要になることもあり経過は注意が必要です

投薬でだいぶ調子よくなってきました

猫のひも状異物誤食 

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

またしても異物のお話

チュールの包装ごと食べてしまったとか

朝から何度も吐いているとのこと

 

エコー検査でひも状っぽい像が観察されました

腸管の真ん中に一直線の白いものが見えますか?

周囲の腸管が手繰り寄せられているのも見えます

ひもっぽいです

 

異物による腸閉塞(イレウス)の疑いが濃厚です

術中写真です

 

やはり腸管がアコーディオン状に手繰り寄せられているのがわかります

一か所の切開から引っ張り出せればよいのですが

無理に引っ張ると腸が裂けてしまうため

 

無理のない範囲で摘出したのち、もう片方からも切開し摘出する必要があります

チュールの包み紙のほかにひも状異物が絡みつき

閉塞を起こしていました

 

 

閉じたあとはしばらく絶食点滴したのち流動食から開始して退院です

 

 

ヒモ生活はしたことありません

ねほりんぱほりん

高残香性柔軟剤などの動物への影響の症例報告

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です。

 

 

まず題目が固い

 

 

固い内容ではないです(柔軟剤です)()

 

 

 

高残香性柔軟剤や消臭除菌スプレーの動物への影響

症例報告が獣医雑誌にありました。

 

 

商品名、成分名では書けませんのでお察しください。

 

 

前からそういうことあるんじゃない?とはされていました。

5例と大規模な報告ではありませんが

やはりあるのかぁ、といった感想です。

 

 

 

体に付着したマイクロカプセルや消臭成分をグルーミングでなめとり、吸収され肝障害、神経症状

また気管支、肺へ分布するため呼吸器障害が報告されていました。

 

 

支持療法と製品の使用中止で回復している子がほとんどですが、

呼吸器、循環器障害を起こし亡くなった子も含まれます。

 

 

 

柔軟剤や洗剤、消臭剤のマイクロカプセル

はじける前は30 μmと花粉ほどの大きさですが

はじけたあとは2.5 μmと細菌やPM2.5くらいのサイズとなり

気管から肺胞へと容易に侵入してしまいます。

 

 

 

お気をつけをガーン

”がん”てなに?

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

”がん”てなんでしょう

 

腫瘍の定義は様々に表現されていますが

「本来自己の体内に存在する細胞が、自律的に無目的かつ過剰に増殖する状態」とされています。

 

腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)に分類されます。

 

 

良性腫瘍はその場で大きくなりますが周囲との境界は明瞭で

術後の再発性も低く、転移はありません。

 

悪性腫瘍は周囲との境界が不明瞭であり正常組織にへ染み込むように「浸潤」また「遠隔へ転移」します。

 

 

一般的には悪性腫瘍をひらがなで”がん”と表記することが多いです。

 

対して”癌”という漢字もありますがそれは?

 

 

悪性腫瘍は

 

・独立細胞腫瘍(リンパ腫や肥満細胞腫など)

・上皮性悪性腫瘍(扁平上皮癌、肺腺癌、乳腺腺癌など)

・非上皮性悪性腫瘍(平滑筋肉腫、血管肉腫、骨肉腫など)

 

へ分類されます。

 

上皮系悪性腫瘍を”癌”

非上皮系悪性腫瘍を”肉腫”

 

と呼称します。

 

つづく・・・・・・かも

今年もしっかりフィラリア予防

練馬区 西東京市
南大泉せき動物病院の飯島です。
今年もフィラリア予防のシーズンが始まります。
予防期間は5〜12月まで!計8回分になります。

 

 

当院ではお得なまとめ買いキャンペーンを行なっています。

フィラリア予防薬をまとめて購入していただくと、7回分の料金で8回分買えちゃいます!

つまり・・・・1ヶ月分がタダになりますびっくり

キャンペーンは4/29(月)までになります!!

 

 

 

病院からも、3月上旬頃にお知らせのハガキをお送りいたします流れ星

 

4月は狂犬病ワクチンの時期とも重なり、混雑することが予想されますので3月のご来院をオススメしております。

お時間に余裕を持ってご来院くださいニコニコ

 

 

 

おや・・・・・?

ハガキの真ん中に注目・・・・・

 

 

 

 

なんと、先着100名様に

きのこの山 たけのこの里 をプレゼントしちゃいますキラキラ

 

もちろん、私は生粋のきのこ派です!

明治さんが公式で行っていた総選挙では、たけのこの里が勝利したみたいですねガーン

認めません。きのこの方が美味しいです。(先生はたけのこ派です)

 

 

 

 

 

100箱も並ぶと存在感がすごいですあせる

当院でもどちらが先に無くなるか、ひっそりと総選挙を行います!!

 

 

 

 

 

 

おかげさまでハガキの数も昨年より大幅に増えました!!

 

 

 

 

事前にフィラリアに感染していないかの検査が必要になるので、わんちゃんと一緒にご来院ください あしあと

パラディアについて

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

以前パラディアについてお話ししました

犬の肥満細胞腫とパラディア

 

「犬の肥満細胞腫」に対して承認を取ってはいますが

他の腫瘍に対して使用されることも増えてきました

 

とご報告いたしました

 

 

今回の獣医がん学会での症例報告で上皮向性T細胞型リンパ腫への治療効果の報告がありました

 

今までの認識では

固形がんへの使用、乳腺腫瘍や移行上皮がん、扁平上皮癌などの

報告が多く見受けられました

 

NSAIDs(非ステロイド系)やカルボプラチン(抗がん剤)との併用が使用されてきました

 

そのほかはやはり肺腺癌、平滑筋肉腫などへの報告が多く

パラディアの効果が期待されている様子が見受けられます

 

パラディア、もちろん副作用もありますが化学療法に比べると

すごく少ない印象です

 

化学療法いわゆる抗がん剤では、毎週の通院、血管の確保

骨髄抑制による白血球低下、費用の点など

飼い主さん、動物にも負担が大きいこともあります

 

化学療法、緩和治療のみのその間を埋めるような使用

 

化学療法との併用によりさらなる効果にも

期待が持てそうな内容でした

 

 

なんだかまとまりのない記事になってしまいましたが

 

子宮蓄膿症 子宮の画像あり注意してください

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

子宮蓄膿症、最近手術が続きましたのでお話します

 

文字通り子宮に膿がたまってしまう病気です

 

 

適切な時期に適切な避妊手術を行えば発生しません

 

中高齢、未経産に多く

発情出血後1か月から2か月に多く発症します

 

発情出血後、黄体ホルモン(プロジェステロン)の影響で

子宮内は感染が成立しやすくなります

 

子宮内で細菌が繁殖し、膿がたまることで発症します

 

症状は

食欲不振、下痢、嘔吐などの特定の症状ではないことが多いです

飲水量が増える、多飲多尿がみられる子もいます

 

陰部からおりものが見られれば飼い主さんもすぐに気づけると思うのですが

閉鎖型といっておりものがみられないことも多く

しかも閉鎖型の方が重篤化しやすいです

 

膿がたまった子宮を摘出して終わり?

ではなく

外科的にも内科的にもエマージェンシーな疾患です

 

子宮内の細菌からは内毒素(エンドトキシン)が放出され

全身に悪影響を及ぼします

 

腎臓へダメージを与えるため

術前に腎数値(BUN Cre)が高い子の予後は厳しいことが予想されます

 

手術は卵巣、子宮を適切に摘出します

子宮はパンパンに腫れていて、ひどいときには膿が腹腔内に漏れているもあります

 

 

点滴もエマージェンシーを予想して昇圧剤や鎮痛薬

 

緊急薬まであれやこれやと安全策を取りながら用意しながらです

 

さて取り出した子宮です

 

 

 

ここまで大きいことも稀ですが

 

触ると今にも破裂しそうなくらいパンパンですね

 

慎重に卵巣動静脈、子宮間膜、子宮動静脈、子宮頚管を処理して

閉腹します

 

術後は炎症を防ぐ点滴、抗生剤を使用しエンドトキシンショックを防ぎます

点滴って栄養入ってるの?問題 

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です。

 

点滴に栄養は入っているんですか?

 

よく聞かれるのですが、基本的にはカロリー、エネルギーは入れられないのです

濃度の問題だったり、薬液相互の問題だったりいろいろありますが

 

 

では点滴とは

体液バランスを考慮した点滴だったり、

炎症を抑えるものだったり

吐き気を止めるものだったり、

血圧を下げたり、上げたり

病気により点滴する目的は様々です

 

 

が、基本的にカロリーは入ってません

 

 

栄養(エネルギー、カロリー)を体に入れる方法

 

 

経腸栄養

経鼻カテーテル(鼻から食道)

咽頭食道チューブ(首の脇から食道へカテーテルを入れる)

胃ろう(胃に直接カテーテル)

経腸カテーテル(腸に直接カテーテル)

静脈栄養点滴

末梢静脈(腕、足にラインを確保)

中心静脈カテーテル(頚静脈から心臓付近までラインを入れる)

それぞれいい点、悪い点があります

 

経鼻カテーテル

協力的な子であれば全身麻酔を必要としない

容易に設置可能

くしゃみなどで抜けてしまうこと

カテーテルが細く、液状のサラっとしたものしか流せない

必須カロリーを入れるには大量に液剤が必要

 

 

咽頭食道チューブ

太めのチューブが入れられるため流動状ドロドロのものでも入れられる

必須カロリーを摂取可能

全身麻酔が必要

手技が用意、特別な設備は不要

 

 

胃ろう

太めのチューブが(以下略

必須カロリーを(以下略

全身麻酔が必要

内視鏡がないと侵襲性が高い

早期にすっぽ抜けると胃内容がお腹に漏れる

 

 

経腸カテーテル

口、食道、胃を経由せず腸から栄養が入れられる

液状でないと入れられない

全身麻酔が必要

すっぽ抜けると大変

胃、十二指腸の消化酵素がないため消化不良を起こしがち

 

 

末梢静脈栄養

全身麻酔が不要

飲み込む力がない、意識がない、などでも投与可能

血管が細く高栄養は血管炎、閉塞、血栓などの問題が多すぎる

必須カロリーを入れようと思うと、すっごい濃度を流し込まないとダメ

肝腎心障害や膵炎などが悪化する可能性

 

 

中心静脈栄養

末梢より濃い輸液が入れられる

全身麻酔が必要

経静脈の切開が必要

 

 

ということで

 

栄養補助が治療になる病気→肝リピドーシスなど

経鼻カテーテル、食道チューブを選択

 

術後自力での摂食に問題があるが、比較的早期に回復しそう

経鼻カテーテル、食道チューブを選択

 

口腔、食道の手術で頭部に問題がある場合

もしくは長期栄養補助が必要

胃ろうチューブ

 

胃の手術などで胃が経由できずしぶしぶ

経腸カテーテル

 

 

こんな形で選択します

 

 

腸が使える場合は腸を使え!です

 

基本的に腸から栄養が取れるなら腸から吸収させるべきです

腸を使わないでいると腸粘膜のいぼいぼ(絨毛)が委縮してちいさくなってしまい、回復がどんどん遅れてしまいます

術後、または治療により回復することが見込まれる場合に適応と考えます

 

 

食べないから栄養点滴してほしい

とその気持ちもわかるのですが

 

 

まずは「なぜ食べないか」を考え

「治療することで食べられるようになる」ようにしていきましょう

 

 

静脈栄養点滴は?

ほぼ選択しません

 

 

腸管が使えない状況、意識がない状況なら選択しますが

 

上述の通り経腸栄養に勝るものはありません

武蔵関のボロ市です

それなりのお金を持って行ったはずが帰るころには、よくわからないおもちゃにすべて変わっていました、それ壊れてるやんけ

それでも景品をしっかりと吟味して選んでいましたね

シャーピンとお好み焼きくらいしか食べてません

さすがボロ市、でも笑顔がプライスレス

 

 

 

 

恒例の初詣、とはいえ毎月お参りしてます
1月1日は劇混みですが日にちをずらして時間が早ければ空いてることを学びました
これで風邪ひかない
何度もお賽銭をせがまれそれなりの金額を賽銭しました
コイン入れるの楽しいよね、でもガチャガチャじゃないよ
もしかしてご利益ガチャ?

 

断定することの難しさと必要性 後編

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

後編でございます

 

断定しなければならないものの一例

 

悪性リンパ腫、自己免疫疾患

 

双方治療にはステロイド、プレドニゾロンを使用します

 

診断後に

リンパ腫:化学療法

自己免疫疾患:免疫抑制

 

異なる治療を行います

 

 

腸管に発生した場合、似通った症状がでることが多く

下痢、低タンパク、嘔吐、腸炎のサイン

この二つを症状から鑑別することが困難です

 

試験的にステロイドの治療を行うと一時的に良くなったように見えます

 

しかし

悪性リンパ腫の場合ステロイドを初期に投与していると

以降の化学療法、抗がん剤が効きにくくなってしまうことが知られています

年齢、犬種などからこれらが強く疑われる場合は

試験的治療の前に積極的な検査をお勧めします

 

 

では最終的にどう診断するか

開腹下で腸管を一部切り取り、病理診断をすることでほぼ確定できますが

 

開腹手術を躊躇われることも多いです

それもよく分かるのですが

 

それ以降の治療が変わってくることを考えると

腸生検も考慮しなくてはなりません

 

開腹よりも侵襲性が低い内視鏡(胃カメラ)で診断できるかというと・・・・・・

腫瘍が粘膜よりも深い組織でできている場合は

診断できないこともあり結果の解釈には注意が必要です

 

 

わかめ3.5倍ラーメン食べました

案の定おなか壊しました

最近のホーム事情

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

なかなか心配させてくれます

腎数値とともにリンも上がりきってしまい

それに伴い赤血球、ヘモグロビンも下がり。。。

 

プレドニゾロンを減量すれば、

CRP(炎症タンパク)があがり。。。

 

あれを足して、これを引いて

維持量を決めていけるところまできました

 

皮下点滴を毎日行っています

 

心臓への影響も少なからずあるため

腎数値を下げられるくらいの量は入れられません

 

現状ホームの心臓はエコー検査で悪化はなく、頑張ってくれています

 

全薬から出ているアゾディルも加えております

 

 

 

心腎連関、という病態があります

 

ちょっと語弊がありますが

心臓のための治療と腎臓のための治療が相反することが多いのです

 

腎臓のためには点滴をして血流を増やし、腎血流量(糸球体濾過量GFR)を増加させます

しかし血液量が増えることで心臓がいっぱいいっぱいになり肺水腫

 

心臓を楽させたいので血圧を下げ、利尿薬を用いれば

血液量が減り、腎血流量が減り腎数値が上がる(高窒素血症)

 

腎臓病が進むと、腎性貧血、さらに血流が減る

 

ぐるぐると悪循環へと陥ります

 

それぞれに”いい塩梅”で多すぎず、少なすぎずの治療を展開せねばなりません

 

ホームはここに免疫介在性の病気も加わります

 

心配は尽きません

 

すごく良いわけではありません

 

いつものようにごはんを食べて、散歩して

そんな”いつも”を何事もなく過ごせるように

 

頭の中で体の中を想像し、予想しお薬を組み立ててます

 

 

 

家からうちわがなくなりました

2つあったはずですが

気付くとこんなんに

 

※犯人はホームではありません
上手にはがします

子供うちわはがし大会に出た際には応援をお願いします