カテゴリー: 動物の病気について

冬の猫のおしっこ事情

練馬区、西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です雪だるま

 

 

猫はこたつで丸くなる黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫からだ黒猫あたま

 

そう、寒くなると猫たち

 

こたつから出ません

ふとんから出ません

 

ぬくぬくですものグラサンzzz

 

→トイレに行くのが億劫

 

→水を飲みにいくのも億劫

 

→蓄尿時間が長い

 

→尿路結石(膀胱結石、尿管結石、膀胱結石)が出来る

 

→膀胱炎、尿石症

 

→からの尿道閉塞

 

冬の動物病院あるあるですアセアセ

 

昔に比べてフードが良くなってきたおかげでだいぶ減った印象ですが、

その代わり

腎臓結石、尿管結石が多いような気がしますびっくりガーン

 

秘密対策

①飲水を増やすこと

②尿石症対策のフードへの変更

 

・水は一日に2回以上は変えてあげてください爆笑

・容器は陶器がお勧めですニコ(特別な事情がなければ)

・おひげが器につくのを嫌がる子が多いですガーン

・口が広めの容器を利用してください爆笑

・水飲み場も一か所ではなく、思いついたときに飲めるように何か所かのご用意をラブ

・ウェットフードも利用してくださいもぐもぐ

・ただしウェットフード単独ではカロリー数が少なくなるため、細身の子ではドライフードもご利用くださいもぐもぐ

 

風邪で咳?

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

 

犬や猫の咳には違いがあります

 

 

犬はケンネルコフという風邪と呼ばれるような症状があり咳がでます

ケンネルコフは若齢の犬での症例が多く、中高齢以上では

心臓病や気管疾患、肺疾患を疑います

 

 

猫風邪とよばれている伝染病では通常は咳がでません

猫が咳をしていたら、心臓病や喘息など重い病気であることもありますので、猫の咳には注意が必要です

 

 

猫の咳はわかりにくく

首を前に伸ばすようにしてえづくような仕草をします

動画は検索すると結構出てきますね

猫の咳 検索

 

鼻腔内腫瘍のお話 後

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

 

鼻腔内腫瘍のお話 前

 

鼻腔内腫瘍後編

 

診断にはまずレントゲンを撮ります

 

下の様に鼻腔内が白くなっていたり、真ん中の鼻中隔が溶けていたり

するとかなり怪しい所見です

 

 

 

 

 

レントゲンやCT画像では”なにかある”までがわかります

ではその”なにか”を鑑別するために細胞を採取する必要があります

 

針を使用したり、鈎とよばれる器具を使用して

細胞を病理診断してもらいます

 

腫瘍治療では切除できるものであれば切除が第一選択となりますが

鼻腔内腫瘍においては完全切除が困難、術手技自体が困難

術後の外観において問題が多すぎるため

また術後の経過成績も芳しくないため選択されることはまずありません

 

放射線療法が第一選択とされています

 

またほかの固形がんと同様に化学療法(抗がん剤)による治療成績も生存期間を延長させる成績はみられていません

 

現状化学療法は未分化がんや転移がある場合の補助療法としての位置づけです

 

猫の鼻腔内リンパ腫においては

放射線療法と同程度の治療報告もあり

すべての症例にあてはまるわけではありませんが化学療法を選択することもあります

預り中のハイムお嬢さんと黄金の秋

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です。

悲しい記事と
嬉しい記事です

とある猫さん
鼻汁で来院

若くないのでいわゆる猫風邪ではなさそう
腹腔内にしこり(mass)を触知
エコーでも確認、ちょっとヤバそうな感じです
しこりを見つけたときの基本は細胞診、組織診断にて腫瘍か炎症か、その他の鑑別
当院にて針細胞診、大学病院含む二次診療のお話

飼い主様曰く三◯の大きな某病院に転院
血液検査で異常ないからとのことで経過観察のみ

結果、がんでした

とあるワンちゃん
外耳炎ぽい症状で来院
耳道にしこりを確認
上記同じく当院での針細胞診、二次診療でのCT検査、もしくは内科治療のみを提案

転院
結果、転院先で抗生剤のみの治療でひっぱり耳道が………
腫瘍を強く疑います

積極的な検査、手術を望まれないのは構いません

転院先での治療で治癒すると考えてらっしゃるのは悲しいです

今後の結果、予測を理解した上で抗生剤のみの治療を選択するのは間違いではありませんが………そうではないようでした

………悲しい

とあるワンちゃん
嘔吐、元気食欲低下での来院

一般的な治療に反応し元気食欲は回復しますが
エコー検査でとある部分になにやらまずい感じ
当院での内科治療は続けつつ
改善なき場合は
二次診療施設にて精査を提案

転院
結果、改善せず悲しい結果………

とあるワンちゃん

所見からどう考えても自己免疫疾患を疑いますが
他院にて「発熱があるから」1ヶ月抗生剤のみ処方
改善してませんね………1ヶ月も………

大きな病院とのことでしたが

当院での治療で嬉しいかな
次の日には改善しました

私は改善なき場合には次の策を提案しています
それが外科的介入であったり二次診療へのご紹介であったりもします

急に話が大きくなることで不安になられるのもわかります

時間的な制約、費用の制約もあるでしょう

皆が皆大学病院を受診できるとは限りません

症状がまだ見られない状態で
エコー、レントゲンで腫瘍をみつけると

診察結果を信じていただけず転院されることもあります

それは私の不甲斐なさ、説明の仕方によるところもありましょう

ご不安にかられて
本当か?と疑われる気持ちもわかります

しかしその際するべきことは一次診療を転々とすることではなく高度医療センターの受診です

なぜならその転院先で腫瘍を見つけてもらえず、
場合によってはエコーすらしていないこともいまだに多いのです

そしていざ症状が出てから当院に駆け込まれ
進行していたときの悲しさ悔しさ

飼い主さんもつらいと思いますが、動物たちはもっとつらいです

改善なき場合に次の策を示されず悲しい結果になる子が多いと感じています

ちなみに大学病院や二次診療施設を紹介しても
当院には経営的バックはありません

経営的には転院先のように次の手も二次診療施設も提案しない方が正解でしょう

でもそれはできません

二次診療を提案するのは動物たちを思ってのことです

当院での治療、匙を投げたわけではありません

しかし治療しても改善なき場合には
次の手を提案しないのは不誠実だと考えています

時間的、費用的に二次診療を受けられないこともわかります

不安になられるのもわかります

しかし提案すらしないのは私にはできません

乱文になってしまいました

改善なき場合には次の策を提案

外科的な処置、二次診療も含みます

でもあくまで提案だけです

選ばないのもありです

費用的、時間的、距離的に困難な場合は
当院で出来る限りの治療を行います

だから不安になられたら相談してください

求めている答えを言ってくれる一次診療施設を探して転々としてもいい結果を生みません

というか生んでいません

戻って来た時には進行しているパターンはつらいです

結果を信じられないのも受け入れられないのもわかります

ドクターショッピングするくらいなら大学病院、二次診療施設を受診した方が納得できるはずです

この子たちを思っての提案なのです

 

 

嬉しいお話
キャバリアレスキューからお預かりしている子がいます
ハイムお嬢 
キャバリアなので心臓はお察し
可愛らしいお嬢様です

あくびです

見切れましたね
なんで背景が暗いかって?
家族が寝静まったあとにそっとこの記事を書いているからです
まだまだヤドカリさんでケージ内からは自発的に出てきませんが尻尾はフリフリです
こんな私にも尻尾フリフリしてくれます
里親様募集中です!

鼻腔内腫瘍のお話 前

練馬区 西東京市の動物病院
南大泉せき動物病院です
鼻腔内腫瘍のお話
犬の全腫瘍のうち0.8~1.0%ほどの発生率と報告があります。
好発年齢はやはり9歳から14歳と中高齢に多くみられますが
2歳からの報告もあります。
また犬種についてはばらつきがありますが
ラブラドール、ゴールデン、コーギー、ダックスに多いようです。
経験としては鼻が長い犬種に多い印象で
発生率も1%ほどとされていますが、実際にはもっと多く遭遇しているような気がします。
犬では鼻腔内腺癌を含む上皮系腫瘍が多く2/3程です。
他には移行上皮がん、扁平上皮癌もみられます。
非上皮系では軟骨肉腫、繊維肉腫、骨肉腫です。
猫ではリンパ腫が多く、診断時に腎臓への転移がみられることもあります、次いで鼻腔内腺癌、肉腫です。
症状は鼻出血、くしゃみ、粘液分泌などから始まります。
くしゃみ、鼻出血だけでは診断がつかないこともあります。
鼻水か~
鼻炎か~
で抗生剤、ステロイドを投与されていて実は腫瘍が進行しているってこともありますので注意が必要です
歯牙疾患からくる細菌性鼻炎や異物、
免疫介在性の鼻炎、真菌性鼻炎、異物などをきちんと鑑別する必要があります。
「気付いた時には進行していた」が怖い腫瘍です

胸に水が溜まるってなに?? 肺水腫と胸水 後編

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

肺水腫と胸水の原因は様々です

 

心臓性、血管性、腫瘍性、気道閉塞、熱中症

炎症性、膵炎、エンドトキシンetc.

 

心臓病についてお話します

心臓病が進行すると

犬では肺水腫、猫では胸水となることが多いです

 

肺水腫では酸素交換が上手に行えないため

チアノーゼ(舌が紫色)粘膜がまっしろ

肺の音が悪い

横になれず、お座りの姿勢で首を上に向ける

などの症状がみられます

肺水腫で白く変化しています

上下の写真で違いがわかるでしょうか?

赤丸で示した部分が違うのです

 

上述しましたように針で水を抜くことはできません

 

利尿薬を使っていくのですが、利尿薬は腎臓に負担を強います

 

使いすぎれば腎不全を発症、使用量が少なければ肺水腫は改善しない

程よく血圧を下げすぎず、上げすぎず

 

心収縮力をあげつつ、利尿をかけていきます

 

肺から血管へ、血管から腎臓、尿へと水を排出させるのです

 

胸水では心臓の周りに水が溜まるため心拍出量(心臓の働き)

肺の拡張能(肺のふくらみ)が落ちます

 

利尿薬、といきたいところですが胸水に対しての効果は薄くなかなか効かないことが多いです

 

では針で・・・・・・・と思いますが胸部に針となると、危険性も高まります

胸腔内には心臓、血管、肺があり誤穿刺は回避したいです

 

また抜去できた場合も、心循環を改善させねば数日で再貯留してしまいます

今現在、胸水のために心肺機能が低下し”まずい”状況でなければ

穿刺せず心臓の治療を優先させます

 

胸水と肺水腫についてでした

 

 

 

当院にくいしん坊さんがいるのはインスタの方でお伝えしております

お菓子を買ってくると一瞬でなくなります

食後でも吸引力が落ちません

一口で消えていきます

「ごはん前に食べちゃうとごはんがあまり食べられない」

という私の言葉は届きません

くいしん坊さんには関係ないのです

血糖値やら満腹感が仕事していないようです

胸に水が溜まるってなに?? 肺水腫と胸水 前編

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

「胸に水が溜まる」

よく聞きますが

””胸水””と””肺水腫””

ちょっと違う?

だいぶ違います

胸水は胸郭内、肺心臓血管食道などの臓器の外側に水が溜まる状態

肺水腫は肺内の組織に水がしみわたる

こんな違いです

がんばって絵を描いてみましょう

胸水

肺の外側に液体として胸水は溜まります
針などで胸の外から吸引して抜去することが可能です

肺水腫

スポンジ内に染み込むため針で液体を抜去することはできません

この図をスタッフが見かねて

模型を作ってくれました

胸水

肺水腫

先生の絵の方がわかりやすい説までありますね()

ウェルパーク皆様いかれますか?

店内に流れているハピコムラジオ

清水ミチコさんが話しているあれ

ご記憶にございますか?

あれの山田さんの情報がさっぱりわかりません

この情報化社会になんにもひっかからないとは・・・・・・

猫の形質細胞性足皮膚炎 

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

猫の肉球

字面だけでもかわいい猫の肉球

触ってますか?

 

フニフニしていますよね

 

猫の形質細胞性足皮膚炎という病気があります

 

 

フニフニの肉球がかさかさしてくる

歩き方がぎこちなくなる

ジュクジュクしてくる

出血することも

 

 

こんな感じで症状が進むことが多いです

上と下の写真

色が違うのがわかりますよね?

 

 

この病気

過剰免疫やアレルギーの可能性が示唆されていますが

あまりよくわかっていません

 

 

また猫後天性免疫不全症ウイルス(猫エイズ)や

猫白血病ウイルスが関与していることもありますが

感染していない猫も発症します

 

 

症状のある肉球を切除して病理診断すると形質細胞(免疫細胞)が

たくさん検出されることから免疫介在性とされていますが

直接の原因はいまだにわかりません

 

 

 

副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤

免疫調整作用のある抗生剤ドキシサイクリンで治療します

この辺りが効くことからも過剰免疫だと考えられています

ドキシサイクリンで治療することが多いですが

病変の切除が必要になることもあり経過は注意が必要です

投薬でだいぶ調子よくなってきました

猫のひも状異物誤食 

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

またしても異物のお話

チュールの包装ごと食べてしまったとか

朝から何度も吐いているとのこと

 

エコー検査でひも状っぽい像が観察されました

腸管の真ん中に一直線の白いものが見えますか?

周囲の腸管が手繰り寄せられているのも見えます

ひもっぽいです

 

異物による腸閉塞(イレウス)の疑いが濃厚です

術中写真です

 

やはり腸管がアコーディオン状に手繰り寄せられているのがわかります

一か所の切開から引っ張り出せればよいのですが

無理に引っ張ると腸が裂けてしまうため

 

無理のない範囲で摘出したのち、もう片方からも切開し摘出する必要があります

チュールの包み紙のほかにひも状異物が絡みつき

閉塞を起こしていました

 

 

閉じたあとはしばらく絶食点滴したのち流動食から開始して退院です

 

 

ヒモ生活はしたことありません

ねほりんぱほりん

高残香性柔軟剤などの動物への影響の症例報告

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です。

 

 

まず題目が固い

 

 

固い内容ではないです(柔軟剤です)()

 

 

 

高残香性柔軟剤や消臭除菌スプレーの動物への影響

症例報告が獣医雑誌にありました。

 

 

商品名、成分名では書けませんのでお察しください。

 

 

前からそういうことあるんじゃない?とはされていました。

5例と大規模な報告ではありませんが

やはりあるのかぁ、といった感想です。

 

 

 

体に付着したマイクロカプセルや消臭成分をグルーミングでなめとり、吸収され肝障害、神経症状

また気管支、肺へ分布するため呼吸器障害が報告されていました。

 

 

支持療法と製品の使用中止で回復している子がほとんどですが、

呼吸器、循環器障害を起こし亡くなった子も含まれます。

 

 

 

柔軟剤や洗剤、消臭剤のマイクロカプセル

はじける前は30 μmと花粉ほどの大きさですが

はじけたあとは2.5 μmと細菌やPM2.5くらいのサイズとなり

気管から肺胞へと容易に侵入してしまいます。

 

 

 

お気をつけをガーン