練馬区 西東京市の南大泉せき動物病院です。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療のお話です。
しれっと始めましたが
その2はいつだったか。。。
ではいつから治療を開始するか
アメリカ獣医内科学会(ACVIM)の基準でいくと
心臓の拡大を認めたとき
です
それ以前に投薬開始しても予後は変わらないと言われております。(今のところ)
今後新しい知見がでれば変わりますのでご了承ください。
では逆流が見つかり、心拡大がなかったときはどうしたらいいのでしょう?
定期的な心エコー検査をお勧めします。
1年に1回とかじゃだめですよ。
今日診て大丈夫でも1か月後から拡大があるかもしれません。
1年に1回しか検査しないと。。。。
11か月も無治療になりますよね。
おおむね3か月くらいを目安にエコー検査をお勧めしています。
心臓は血圧をあげることで血流を維持しますが、さらに心臓に負担をかけることになります。
ACE阻害薬
(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)
長い名前ですが、簡単に言えば血圧を下げるお薬を始めます。
安全なお薬ですが、初めての投薬は病院が開いてる時間に始めましょう。
それでも逆流が多く心拡大、逆流のスピードが速い場合は
ピモベンダン
PDEⅢ阻害薬を始めることが多いです。
心臓の収縮力を上げ、同時に血管拡張作用もあるので血圧も下げてくれます。
それでもいつかは破綻し肺水腫に陥ることがあります。
その時は入院治療となります。
肺の中の水を抜くために利尿薬を使い、腎臓に頑張ってもらいます。
血液の水分を減らすことで、肺の中の水を引っ張ってくるのですが
かなり腎臓に負担を強いることになります。
逆に腎臓の保護を目的に血流を維持すれば、肺からは水が抜けません。
腎臓と心臓はシーソーのようで一方の治療が他方へ負担をかけてしまうのです。運命の双子と言われてます(たぶんどこかで)
そのほかにも、空咳(気管性)の場合には気管支拡張剤
血圧をさらに下げ、冠動脈(心臓自体の血管)拡張させる薬
血栓予防薬
肺高血圧症改善の薬
なども組み合わせます。
徐々に投薬数も増えることも多いです。
内科治療の目的は治すこと、ではありません
心臓病により亡くなることのないように悪化を遅らせることで
天寿を全うさせてあげること です
でもでも内科療法しかないの?
いえ、少しずつではありますが
心臓外科を行うことも増えてきました。
とはいえ、当院ではできません。
人工心肺を備えている高度医療を行える施設をご紹介します。
こちらを紹介いたします。
上地先生は大学時代の先生です。
スタッフの一人は同級生でした。
すごいですねぇ
費用もそこそこすごいですが、
考えられない金額ではありません
というか手術の難易度、必要な設備、人員を考えれば適切と思います