こんにちは、南大泉せき動物病院です。

前回までは診断編でしたので治療方針についてです。

アトピー性皮膚炎の完治は難しいです。

また若いうちに発症することから飼い主さん、動物への負担も考えながら治療方法を決めていきましょう。

治療方法も様々ですが、体への負担が少ない順でおおまかには

おうちのお掃除

シャンプー

ごはん

サプリメント類

外用薬

内服薬、注射薬

となります。

まずおうちのお掃除、これ大事です。

アトピー性皮膚炎の原因は、ハウスダスト、カビ、花粉などです。

お掃除や散歩後の乾拭きなどをしてもらうことで、体につくアレルギーの原因(アレルゲン)を減らすことができます、一番の治療です。

花粉を持ち込まない、入れない、のは人のスギ花粉症と同じですね!(私も花粉症)

次にシャンプー

これも体についたアレルゲンを落とすと同時に、皮膚のバリア機能に合わせたシャンプーを使うことで皮膚を強くすることができます。

ただ、アレルギーだからこのシャンプー!というわけでなく、乾燥気味、脂気味などその子に合わせたシャンプーを使うことが大切です。

ごはん、サプリメント類も同じく皮膚のバリア機能を改善することができます。

 

ここまでで痒みが抑えられると、体への負担も少なくかなり良い結果です。

シャンプーの頻度、種類はその子に合わせて処方しますので、ご相談ください。

できるだけシャンプーで維持してあげたいのですが、治療初期の回数はどうしても多めになってしまいます。

ご家族のご理解、ご協力が不可欠な治療です。

 

ですが、残念ながら外用薬、内服薬の治療が必要になってしまう子がいるのも事実です。

 

皮膚症状の範囲が狭い場合は、塗り薬、スプレー剤を使って痒みを抑えてあげることができます。

 

内服薬、注射についてはメリット、デメリットがあります。

メリット デメリット 有効率
ステロイド(副腎皮質ホルモン) ・即効性がある ・長期連用副作用 ほぼ100%
・有効性が高い ・投薬を止めると再発
・安価
免疫抑制剤 ・副作用が少ない ・免疫を抑制する 約70%
・導入時は高価
減感作療法 ・副作用が少ない ・開始時に特殊検査が必要 約30~70%
・有効なアレルゲンが限られる (有効アレルゲンなら)
・注射なので頻回来院
・そこそこ高価
インターフェロン療法 ・副作用が少ない ・注射なので頻回来院 約50~70%
・アレルギー体質の改善 ・ちょっと痛い。。。 (報告に差)
・導入時は高価

ざっとですが、こんな感じです。

いかに副腎皮質ホルモン(ステロイド)の投薬量、期間を減らすかがポイントとなります。

 

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