カテゴリー: 動物の病気について

腸閉塞 後編 

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

 

まずは胃に引っ掛かっているポンポンを切開して取り出します

そこからずずーと取れればいいのですが

下流のポンポンが引っ掛かって取れません

 

無理に引き抜こうとすれば腸が糸で切れてしまいます

 

 

ですので胃切開後ポンポンを切断

下流のポンポンにアプローチです

 

こちらから徐々に手繰り寄せて摘出完了です

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紐に限らず輪ゴム、ビニール袋の持ち手、パーカーのフードの紐

などなど思わぬものを飲み込んでしまいます

 

犬と違い高いところにおいても閉まったことにはなりません

遊んだ後はきちんと扉の中に閉まってあげてください

 

 

最近のスマホが大きすぎて真顔

ショップで触った時の写真

こんなに大きいのほんとに使ってる?指届くのかおばけくん

腸閉塞 前編 見どころは図

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

またしてもブログに上げるのは異物誤食

いや、他の手術もしているんですよ

なかなかアップできないだけで

 

今回は猫のひも状異物

 

猫さん紐で遊ぶの好きですよね黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫あたま

口でアグアグしているうちに飲み込んでしまうのです

 

胃で引っ掛かり腸でも引っ掛かり

腸は下へ送り出そうとしますが胃で引っ掛かっているため

腸は蛇腹状に手繰り寄せられてしまいます

 

以下

あ、ひどい図

 

術中写真

図より写真のがわかりやすい稀有な例

腸が手繰り寄せられて蛇腹状になっています

 

胃からここまでよく流れましたね

こんなに長いのもなかなか見ません

 

続きは後編

 

先日親戚の結婚式に出席してきました

 

うだるような暑さ

開放的な景色

動かない渋滞

後部座席はすやすや

一人運転

 

海沿いの観光地は気持ちが上がります(帰りは考えたくない)

うさぎと抗生剤

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

うさぎさんに使用できない抗生剤があるのはご存知でしょうか

 

というより

使用できる抗生剤を数えたほうが早いです

主に4系統しかありません

 

当院でも注射、内服はほぼ1~2種類しか処方できません

 

以前はクロラムフェニコールの小児用シロップが使用しやすかったのですが、販売が無くなってしまいました

錠剤もあるのですが、粉にするとものすごく苦いです

 

こんなに苦いものがあるのかというくらい

 

外用(点鼻、点眼)も含めると4種類くらいは使用できます

 

なぜこんなに少ないか

 

うさぎさんは口から摂取した植物を盲腸にいる細菌たちに分解してもらい、そこからエネルギーを摂取しています

 

犬、猫、人は経口摂取した食べ物を胃酸で分解し、腸液、消化液で消化、吸収できますが

 

植物からは直接エネルギーを摂取できません

 

そこで発達させた盲腸内細菌で発酵、分解させエネルギーを摂取しています

 

抗生剤を飲むと下痢をすることはありませんか?

私たちや、犬猫は下痢ですみますが

うさぎさんは盲腸内細菌が死滅することで

クロストリジウム性腸炎を起こし致命的となってしまいます

 

 

食欲不振から夜間往診を昨日受けたという

4か月齢のうさぎさんが初診で来院されました

粘液便、食欲不振、胃拡張も呈していました

 

夜間診療の治療内容をみるとうさぎでは使用しない抗生剤が含まれていました

 

治療を続けましたが、食欲不振、粘液便は改善されません

予後については言及しません

 

草食動物の治療はまだまだ特殊なものです

一般的に広がると医療の幅も広がると思いますが

遠い道のりのようです

子宮蓄膿症と乳腺腫瘍 後編

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です。

 

ところで狂犬病の手続きで西東京、練馬区の役所に行くのですが

西東京の手続き数が少ないです

練馬区の8分の1くらい

西東京の方もっと来院されていいのよ?

 

住所が練馬区なので当たり前かもしれませんが

立地は区境なのです

西東京の方もっと来院されていいのよ?

(大切なことなのでもう一度)

 

開腹すると予想通り子宮内には膿が貯留していました。

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子宮蓄膿症はこれらの細菌、細菌毒素が血中に回り身体を蝕む病気です。

膿は拭って、細菌培養感受性試験に回しましょう。

細菌を増やして、何の細菌が増えていてどの抗生剤が効果的か

を調べます。

 

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おや、卵巣部分に糸が・・・・・・

後日お話を聞くと前回の手術時に卵巣のみ摘出したとか・・・・・・

 

発情を一度でも経験した子宮はこのように

子宮疾患を発症する可能性があるため

初回発情後に手術をする場合は卵巣、子宮両方を摘出する必要があります。

 

卵巣部分の糸ごと切除しました。

 

次は乳腺腫瘍を切除して縫合して終了です。

言葉で書くと簡単ですが、切除は広範囲ですので局所麻酔、

麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬を使用し

切除には電気メスを用いて止血していきます。

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皮膚腫瘍を切除すると想像以上に閉創する範囲は広くなります。

直径3cmの皮膚を切除すると閉創は5cmくらい。

 

白血球数値はまだ高いものの本人はよく食べ、お薬も許容してくれたので、退院となりました。

 

今回は子宮蓄膿症でも早めの手術のため退院までの期間は短かくなりましたが、容態、数値によってはシビアな治療、結果となることも少なくない手術です。

 

子宮蓄膿症と乳腺腫瘍 前編

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です。

 

数週間前からしこりが大きくなってジュクジュクしてきてたとのことで

来院されました

 

かなり大きな腫瘍です。

 

病歴を伺うと、以前反対側の乳腺腫瘍を切除したとのこと

今回は右側のようです。

 

腫瘤(しこり)がある場合

まずは針穿刺で細胞診を検査します。

 

細胞診で〇〇腫瘍、と診断がつくこともありますが

 

第一目的は腫瘍か腫瘍ではないか。

 

腫瘍であれば皮膚の場合、肥満細胞腫かそうでないかが重要になってきます。

 

今回の細胞診では

乳腺細胞が一様に多く採取されているため

乳腺腫瘍であることが疑われます。

 

一般的に細胞診では乳腺腫瘍の良性、悪性の診断はつけられません。

 

今回はかなり大きいこと、細胞診でも細胞分裂、核の大きさの異常

形の異常(核の異型性)がみられ悪性の疑いが強くありました。

 

また術前評価のエコー検査では

子宮内にも液体が貯留しており

炎症反応(CRP)も上昇していることから子宮蓄膿症への移行を疑うものでした。

 

手術内容は

卵巣子宮摘出、乳腺腫瘍切除と鼠経(内股)リンパ節の郭清となります

 

開腹すると予想通り子宮内には膿が貯留していました。

 

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次回へ続く

 

 

まだまだ予防月間は続きます。

 

ところで狂犬病の手続きで西東京、練馬区の役所に行くのですが

西東京の手続き数が少ないです

練馬区の8分の1くらい

西東京の方もっと来院されていいのよ?

 

住所が練馬区なので当たり前かもしれませんが

立地は区境なのです

西東京の方もっと来院されていいのよ?

猫の扁平上皮癌

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です。

 

猫の耳にできた扁平上皮癌の症例です。

 

 

扁平上皮癌は悪性度の高いがんです。

この子はもともと外に出る白猫さんです。

 

そう、白猫、耳が白い子に多く発生します。

症状は耳介先端がカサカサしたり、ジュクジュクかさぶたができたり

ぱっと見は皮膚病?を思わせるものです。

 

一般的な治療に反応せず、耳介近位に肥満細胞腫も併発したため

同時に耳介の切除を行いました。

耳の体側にぷつっと出来ている丸いところが肥満細胞腫です。

 

耳にできた扁平上皮癌は外科的に切除することで

予後は良いことが多いですが、領域リンパ節(この場合耳の下のリンパ節)への転移、浸潤があるときは注意が必要です。

 

また耳介先端を切除するため容貌が変わってしまうので

手術を躊躇ってしまうこともありますが、早めの切除で予後は変わってきます。

 

この子は糖尿病も患っており、そちらのコントロールが出来てからの

手術になりました。

 

一般治療に反応しない耳介の皮膚症状は注意が必要です。

 

扁平上皮癌のできる場所が、

口腔内、鼻腔内などの場合は予後は大変厳しいです。

完全切除するには大きく切らなければなりません。

 

鼻腔内の場合、完全切除は期待できませんので放射線治療を主体に治療を組み立てていきます。

 

異物誤食にご注意

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

異物(食べ物じゃないもの)の誤食、腸閉塞(イレウス)に注意!

 

 

3日前から食欲がなく、ずっと吐いているという猫さん

 

エコー検査をすると腸管内に液体が貯留しています

腸管を追っていくとある部分で超音波が通りません

 

それより下流の腸管は正常です

 

ダムがせき止められるように腸液が貯留しているということです

 

ダムの部分が異物です

 

(ごめんなさい、エコー所見を録画していませんでした)

 

試験開腹すると

 

 

 

 

腸の一部分が腫れている箇所に異物を見つけました

下流は正常ですが

閉塞部位の上流は充血し、腫れています

 

腸は壊死を起こしていないので切開だけで済みました

 

手術がもっと遅くなれば腸壊死を起こしてしまい

腸を切除し、腸同士をつなぐ端々吻合をしなければなりませんでした

 

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飼い主さんのお話を聞くと

 

バスマットのかけらだそうです

 

猫の異物はひも状のものが多いです

買い物袋の紐、ほつれた糸、輪ゴム、パーカーの紐等々・・・・・・

 

紐で遊んでいるうちに口に引っ掛かり、舌で押し込まれてしまいます

 

犬の場合は、手袋、布、ガーゼ、石、植物の種などの誤食が多くみられます

 

種、種は多いなぁ

 

 

 

食欲もなく吐いている場合は様子見せず、お早目の受診を

腹膜炎 ナファモスタットが地球を回す

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

すごくおなかが痛い様子です

 

エコー検査では腹腔脂肪、間膜、腹膜が白く映り炎症を起こしています

オレンジ矢印で示した範囲が腹膜炎像
赤丸は正常な腸管の横断面
次の写真の腸管と比べると違いが分かると思います
赤矢印で示す範囲に注目すると白と黒の縞模様の範囲が明らかに
違います

腹水も観察されます

腹膜炎を起こしていて、

CRPという炎症の数値も振り切っています

 

抗生剤、腹膜炎を抑える点滴、鎮痛剤を

シリンジポンプ壱号弐号を駆使し

微量点滴で流します

 

治療は本人の治る力を手助けすることです

 

 

エコー動画をブログに上げるにはどうしたらよいのでしょうか

 

動画はスマホからのみアップ可能ショボーン

エコー本体から動画をPCに入れて、PCからスマホに移して??ガーン

 

 

 

下痢の治療  といっても

慢性下痢と急性下痢

小腸性と大腸性

 

分類をしながら治療を進めていきます

 

単にストレスであったり暴食であったりの単純性下痢であれば

2,3日で治ることがほとんどです

ですが対症治療に反応せず慢性化や再発性となった場合は

やみくもに治療するのではなく

系統立てて治療しながら診断を進めていきます

 

フィラリア予防が始まります

練馬区・西東京市の南大泉せき動物病院、看護師の石田ですニコニコ

 

 

もう3月になりますね、もうすぐフィラリア予防のシーズンが始まります犬
予防期間は5〜12月までの計8ヶ月ですが、フィラリア予防薬の投薬を始める前に、
血液検査で感染をチェックする必要があります。
4〜5月頃までにワンちゃんとご一緒にご来院くださいねあしあと
当院からも、3月上旬におハガキにてお知らせをお送りしますグッ
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狂犬病ワクチンの時期とも重なりまして、混雑することが予想されますので、
お時間に余裕を持ってご来院いただくようお願いいたしますほっこり

慢性疾患 下痢の鑑別

練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です

 

下痢の治療  といっても

慢性下痢と急性下痢

小腸性と大腸性

 

分類をしながら治療を進めていきます

 

単にストレスであったり暴食であったりの単純性下痢であれば

2,3日で治ることがほとんどです

ですが対症治療に反応せず慢性化や再発性となった場合は

やみくもに治療するのではなく

系統立てて治療しながら診断を進めていきます

 

以前、セカンドオピニオンのブログ

除外診断のことを覚えていらっしゃいますか?

 

転院とセカンドオピニオン

 

数日の対症治療に反応しない

再発する

初診時すでに2週間以上経過

 

などの場合

次のステップへと進みます

 

排便回数が増加しているのか

排便時のしぶりがあるか

糞便の量などの問診により

 

ざっと小腸性、大腸性と分類します

 

 

犬に小腸性下痢を起こす主な疾患
食事の変更
無分別な食事
食事性 過食
不耐性、アレルギー
異物
感染性腸炎(ウィルス、細菌など)
寄生虫
小腸疾患 炎症性腸疾患
抗菌薬反応性腸症
リンパ管拡張症
浸潤性腫瘍
イレウス(重責、腫瘍、肉芽腫、狭窄、異物)
膵臓 膵外分泌不全、膵炎、膵腫瘍
肝不全
肝疾患 門脈圧亢進症
肝外胆道疾患
消化器以外の疾患 副腎皮質機能低下症(アジソン病)
糖尿病
腎疾患
敗血症
子宮蓄膿症
腹膜炎など

 

 

犬に大腸性下痢を起こす主な疾患
食事の変更
無分別な食事
食事性 過食
不耐性、アレルギー
異物
感染性腸炎(ウィルス、細菌など)
寄生虫
大腸炎 炎症性腸疾患
炎症性ポリープ
組織球性潰瘍性大腸炎
大腸腫瘍 リンパ腫、腺がん、GISTなど
閉塞性大腸疾患 巨大結腸、肉芽腫、狭窄、異物
外部からの圧迫
虚血性大腸疾患
過敏性腸症候群
繊維反応性下痢
小腸性下痢の続発 胆汁の吸収不良
肛門周囲疾患 肛門嚢炎
肛門周囲フィステル
会陰ヘルニア
その他 尿毒症
敗血症など

 

 

 

ただこれすべてを片っ端から検査していくと
膨大な検査、費用になるのはわかりますよね

 

若齢、中齢、高齢
好発犬種
などからも絞り込みます

 

若齢であれば寄生虫、食事性
高齢であれば腫瘍、炎症性腸疾患

 

ダックスなら炎症性腸ポリープ
ヨーキー、マルチーズなら腸リンパ管拡張症が多い
その他・・・・・・

 

などからもしかして?
と絞り込みます

 

ですが例えばリンパ管拡張症であれば確定診断には
組織診断が必要となります
内視鏡、開腹下で腸の一部を切除する必要が。。。。

 

いずれも麻酔を行いますし
内視鏡では診断がつかないことも多くあります

 

2週間下痢してるから腸切除しましょう!
なーんてことはできません

 

まずは麻酔や手術を必要としない(侵襲性の低い)検査から始めます
除外診断ですね

 

糞便検査で寄生虫、細菌
血液検査で全身状態の評価、腸疾患以外の除外
レントゲン、超音波検査等で腫瘤性病変、リンパ節の腫大
腸のエコー病変、肝臓、すい臓、副腎、子宮などをチェックします

 

ここまでで異常所見がない場合は
侵襲性のある検査が選択肢に入ってきますが

 

全身状態が良く、低タンパクも起こしていない子には
試験的治療が勧められます

 

まずは低アレルギー食を2週間
いろいろあるので割愛しますが市販のものは含みません
反応→食事反応性腸症

 

改善がなければ
抗菌薬の投与を1~2週間
反応→抗菌薬反応性腸症

 

改善がなければ
ステロイドの投与1~2週間
反応→ステロイド反応性腸症

 

ですので治療してても治らないっとなるときは試験的治療の途中カモ

 

主治医の先生によく相談なさってください
今の治療はどのあたりなのか

 

途中で病院を変えるとまた一から検査がスタートしてしまいます

 

よくあるのが、

 

ごはんを変えたけど良くならない
ネットで調べた自称低アレルギー食あげてる
前医の投薬内容、わからない
検査内容、持ってきてない、なくした

 

非常に困ります
また一からスタート。。。。。

 

今までの除外が無に帰します

 

ゴール直前で赤甲羅的な
全身状態が芳しくなく、低タンパクなどを併発しているときは
時間の猶予がないため血液検査から試験的治療まで一気に進めます

 

下痢に限ったものではなく
非特異的(特定の疾患特有の症状)な主訴の場合は

 

よくある病気、侵襲性の低い検査から
系統立てて検査を進めていく必要があるのです

 

といったことを頭の中で組み立てて治療を進めていっています

 

もし今までの検査内容、結果、投薬内容がわかれば
ぜひともお持ちください