練馬区 西東京市の動物病院

南大泉せき動物病院です。

 

猫の耳にできた扁平上皮癌の症例です。

 

 

扁平上皮癌は悪性度の高いがんです。

この子はもともと外に出る白猫さんです。

 

そう、白猫、耳が白い子に多く発生します。

症状は耳介先端がカサカサしたり、ジュクジュクかさぶたができたり

ぱっと見は皮膚病?を思わせるものです。

 

一般的な治療に反応せず、耳介近位に肥満細胞腫も併発したため

同時に耳介の切除を行いました。

耳の体側にぷつっと出来ている丸いところが肥満細胞腫です。

 

耳にできた扁平上皮癌は外科的に切除することで

予後は良いことが多いですが、領域リンパ節(この場合耳の下のリンパ節)への転移、浸潤があるときは注意が必要です。

 

また耳介先端を切除するため容貌が変わってしまうので

手術を躊躇ってしまうこともありますが、早めの切除で予後は変わってきます。

 

この子は糖尿病も患っており、そちらのコントロールが出来てからの

手術になりました。

 

一般治療に反応しない耳介の皮膚症状は注意が必要です。

 

扁平上皮癌のできる場所が、

口腔内、鼻腔内などの場合は予後は大変厳しいです。

完全切除するには大きく切らなければなりません。

 

鼻腔内の場合、完全切除は期待できませんので放射線治療を主体に治療を組み立てていきます。