月: 2017年4月

猫の肥満細胞腫

練馬区 西東京市の南大泉せき動物病院です。

今日は猫の肥満細胞腫についてです。

え?うちの子太ってるから?

ちゃいます。

細胞にヒスタミンなどの顆粒をたくさん抱え込んでいて大きく見えるから肥満細胞なのです。

点々が顆粒です。

この肥満細胞、正常でもリンパ節など組織中には散見されます。

細胞分裂が止まらなくなり異常化したものが肥満細胞腫です。

犬と猫では少々違う増え方、悪性度なのですが、

皮膚にできた肥満細胞腫は、一般的には猫の方が悪性度は低く手術で切除すれば問題ないことが多いです。

犬の場合は悪性度が高く、浸潤(浸み込むように広がっていく)

転移(遠くの組織に腫瘍が飛んでしまうこと)

が強いためかなり大きく切除しないとなりません。

猫の場合は頭、頚(くび)に出来ることが多く、小さめのしこりを作りますが、犬程大きく切除しなくてもきれに取り切れることが多いです。

(とはいえ、中途半端にぎりぎりで切除するとすぐに再発します)

今回のネコさん

内股に皮膚炎があるとのことで来院されました

ムムム、なんか皮膚炎じゃないぞ

表面のスタンプを取ると、いましたね、肥満細胞ガーン

しかも

よくある”しこり”を”頭部”にと違います

 

 

猫では皮膚肥満細胞腫ではなく内蔵型肥満細胞腫が多くみられることも知られています。

文字通り肝臓や脾臓にできてしまい、それが皮膚に飛んでしまうタイプです。

幸いこの子は超音波検査で肝臓、脾臓には腫瘍がありませんでした。

表面がジュクジュクしており、下半身にできていることから

悪性度が高い可能性を考え大きめに切除することとなりました。

(今の技術では細胞診のみで悪性度を判断することはできません、

ですので切除は悪性と見越して大きめに切除がセオリーです)

手術範囲を毛刈りして、切除範囲をマーキングします。

切除後です。

腫瘍直下の筋膜も切除します。

縫合しました。

 

病理診断では中等度の悪性度でしたが、きれいに取り切れていました。脈管浸潤(血管、リンパ管にのって他に転移)も見られませんでした。

再発した場合でもセオリーは切除です。

ただし多発した場合、肝臓脾臓に多発した場合は

分子標的治療薬(腫瘍のみに作用するお薬)も選択範囲に入りますが、犬の肥満細胞腫の承認しか得られていないため、効能外使用となります。

その辺はご相談ください。

犬の肥満細胞腫、分子標的治療薬のお話はまた次の機会にニコニコ

口コミサイトって。。。

練馬区 西東京の南大泉せき動物病院です。

 

みなさん口コミサイト、ご覧になりますか?

 

私もちょくちょく食べログ、ホットペッパーなど見てしまいます。

 

かくいう当院もいくつか口コミサイトに掲載されています。

 

病院側の意見を言いますと口コミが載るのはうれしいことですが、

勝手に点数つけられることは少々うーんショボーン

 

獣医師から見てあの病院はいい先生なのになぁ

て先生のところが低かったり。。。

利用する側としては検索もできて便利なのですが

 

少し前に食◯◯グでもありました。

サイト運営会社の気に入らないところは下げられたりしたそうで。

運営の提案する制度を利用しない店舗の点数操作して下げたりびっくり

レビュー数の多い人(食通)の点数への影響が大きくなるそうですが、

病院口コミサイトでレビュー数の多い人って??

 

実は猫しっぽ猫からだ猫あたま

そんなことを運営会社に提言したところ

当院の口コミも掲載されなくなりました。

今までついていた口コミも削除されました。

飼い主さんに口コミを見させていただきましたが、見事に非公開。

それもお二方

 

こちらから書いてくれませんか??とお願いしているのに掲載されないとは。。。悲しい

 

とはいえ口コミが増えてくれると嬉しいものです黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫あたま

掲載されるかな??

こちらのサイト(Caloo)

https://pet.caloo.jp/hospitals/detail/131578

投稿したよとおっしゃっていただくといいことがあるかもニヤリ

 

ステマじゃありませんよ

全然ステルスする気も、隠れる気もないので お願いマーケティングです

 

院長の憂鬱でした。

 

スーパーでこんな商品を発見

この絵柄だけでこれに決めて買ってしまいそうになります

 

 

このシリーズも買い集めたいウインク

 

 

 

客観的評価と抗がん剤(化学療法)

練馬区 西東京市の南大泉せき動物病院です。

 

びっくりすることがありましたので

書かせてください。

 

一昨日から食欲がない状態でしたが、かかりつけの病院がお休みとのことで、当院に来院された猫さん。

 

二週間ほど前に食欲がなかったこともあり、かかりつけの病院で血液検査をし、肝臓の数値が高く、お薬を飲んでいたとのこと。

 

拝見させてもらうと、そんなに高くない。。。。

 

お腹をモミモミ触診すると、腸がかなり厚く硬くなっているところが10㎝程。

超音波検査でもやはり、分厚く(肥厚)なっており腫瘍、炎症性が疑わしい。

特に腫瘍。

 

高齢猫の腸管の腫瘍であれば、リンパ腫、腺がんなどなど。。。

リンパ腫であれば抗がん剤も選択肢に入りますが、ほかの腫瘍であれば第一選択は切除手術となります。

 

ということで

まずは血液検査で術前の評価をしました。

高齢なので甲状腺ホルモンも追加。

 

①体の外から腫瘍部分を針で刺し細胞診⇒リンパ腫なら抗がん剤

その他の腫瘍なら腫瘍切除、腸管吻合手術

 

②開腹手術をして、確定診断する。

リンパ腫以外であれば、第一選択。

 

といった話を一度、ご家族で話してもらうことにしました。

 

その後

かかりつけの病院さんにもう一度受診されたそうです。

と思ったらびっくり。

 

リンパ腫”だろう”とのことで抗がん剤を投与。。。。

え?

しかも即帰宅?その間30分。。。。?

 

”だろう”診断。。。。いいんですか?

 

抗がん剤というのは、腫瘍以外の正常な細胞にも多かれ少なかれ細胞死を招きます。これが抗がん剤の副作用ですね。

細胞分裂が盛んな骨髄、腸の粘膜細胞、

抗がん剤によっては肝障害、アレルギーなどなど。

 

腫瘍の種類によって使用する薬剤も全然違います。

これでリンパ腫でなければ、正常細胞を壊すだけで何の意味もありません。

 

ですので、抗がん剤を始めるには、何々細胞の腫瘍だ!という診断が必要になります。

 

そして仮に効果が見られたとしても、それだけ巨大な腫瘍が壊れれば、あまり好ましくない物質が体のなかにばらまかれるわけです。

(腫瘍溶解症候群)

入院をし、点滴をしながら悪影響が出ないように慎重に投与すべきです。

 

ご家族が”だろう”治療をそう望まれているのであれば、私からは強く言えません。

 

ただ、抗がん剤を使うには、客観的評価が必要であること。

正常な細胞にもダメージを与えること。

腫瘍の種類が違えば、抗がん剤治療は無駄であること。

 

ここの説明をすっ飛ばして、リンパ腫だろうから抗がん剤ね、

なんて説明だけで選択されているのであれば憤りを感じます。

 

何をもってリンパ腫?なんですか。

鑑別診断(病気の可能性)では上位には来ますが、

腺がんではない根拠は?

触ってわかるのであれば、すごいことです。

もし腺がんだったら今回の抗がん剤の意味は?

 

 

どの種類の抗がん剤を使用したかもわかりませんが、

仮にリンパ腫であり一時的に良くなったとしても、きちんとしたプロトコル(抗がん剤の計画)でなければ、治療効果はあがらず長期生存は望めません。

 

また使用する抗がん剤それぞれに合わせて副作用を防ぐ努力をしなければ動物たちにとっては不幸としか言えません。

 

ちなみにステロイドを投薬すると、炎症性であれ、リンパ腫であれ、一時的に体調は良くなるかもしれません。

ですが、一時的です。(1か月くらいかも)

長く一緒に過ごすための治療ではありません。

ステロイド投与してしまうと、後々抗がん剤が効きにくくなります。

 

費用の面や、抗がん剤に耐えられない、手術に耐えられない、などの理由ならその選択も間違いとは言えません。

 

しかし、当院での評価では問題ありませんでした。

 

私の説明不足で、ご理解いただけなかったのかもしれません。

 

ご家族には、きちんとご説明したいと思います。

 

 

先生。

肝臓数値が高ければ超音波当ててください。

触診してください。(怒りんぼでもなかったですよ、いい子でしたよ)

入院しているのに治療効果が上がらなければ、見落としがないかほかの検査も検討してください。

せめて高齢猫で肝臓数値高ければ、甲状腺ホルモンは検査しましょう。

 

根拠もなく抗がん剤を使い、うまくいけば名医。

もし外れて亡くなっても、がんだからしかたないで済ませる気ですか?

 

他の病院さんは私から見たら先輩、大先輩であり、

いつもは診察でも話したりはしないようにしておりますが、

今回ばかりはせめてブログには書かせてください。

 

動物 ご家族 獣医師 3者揃っての治療

練馬区 西東京市の南大泉せき動物病院です。

獣医療のお話をさせてください。

動物病院では”動物たち”を治療、予防することが目的です。

ごはんを食べない、できものができた、感染症予防でワクチンを。
などなど。

これらの検査、治療には

獣医師、動物、ご家族の3者の要因によって成り立っています。
また3者の協力が必要になります。

私たちも出来る限り、動物たちにもご家族にも負担をかけないように
処置をすすめていこうと思うのですが、
動物たちは検査、治療の意味がわかりませんのでやっぱり抵抗することもあるわけです。

例えば、口の中に何かできている、口を見てくれ、と言われましても
手を近づけるだけでガウガウ咬んでくる子の口の中はやはり見ることができません。

(小さい頃から、口の中を触れるように触り倒してください、と当院ではワクチンにいらしたころから説明しています)

猫さんも病院ではパニックになる子もいます、出来るだけ怖がらせないように診察はしますが、

大変なのは麻酔後です。
麻酔薬には、抗不安作用もあり理性で抑えていた恐怖心が醒めかけのころには爆発することもあるのです。
なんとなーくまずい雰囲気が漂う子もおり、これは経験に基づく感というか、第六感で察してあげられることもあります。

この辺までは獣医師の腕や技量と、ご家族の協力でカバーできることもあるのですが、

注射薬や抗生物質、ワクチンで起こるアレルギー反応(急性のアナフィラキシーも含みます)、

こればっかりはいつ起こるかは分かりませんガーン
以前投与した際に問題なかったか、などの既往歴から予想することも重要ですが、

例えば去勢、避妊手術、その子にとってはじめての手術の際は予想できません。

手術前には静脈を確保し点滴を流します。
その際に抗生剤、鎮痛剤、止血剤も注射するのですが、ここでもアレルギー反応は出ることがあります。
いつもルーチンに使っている薬剤であっても、出る可能性はあります。

その子によっては違う反応が出ることもあり、投薬前に予測することはできません。

予測がつくことには血液検査や、超音波検査などで術前からフォローをし、

必要であれば治療を開始してから手術に臨むようにしています。

動物の要因、獣医師の要因、ご家族の要因、それぞれがうまく機能して治療が成立しているのです。

ワクチン接種は午前中をお勧めしています。
アレルギー反応が出てしまっても病院で対応できます。
午後の遅い時間にワクチンを接種しアレルギー反応が出てしまった場合には夜間急病センターを受診することにもなってしまいます。
午後の遅い時間にワクチンをお願いされた際は、アレルギー反応をご説明したうえで改めて来院していただくこともありますが、
いじわるで言っているわけではないのですよショボーン

先日桜を見に大きな公園までお出かけしました。
が、少々早かったのか桜はまだちらほら。。。ガーン

 

うちの子は手に砂が付くのがいやみたいで、器用に足だけで立ち上がろうとしていました。

駅までかわいいグッズを売ってるお店を発見照れ
ついつい入りたくなるのですが、おっさん一人では入りにくいのです。

 

 

まだ浸透していないのか、日曜祝日はお休みでしょ?と聞かれることもありますが、診察してますよ。
あと、月曜日も空いてます、いまだに月曜日は来院が少ないショボーン

火曜休診なので手術が入れにくいこともあるかも。