こんにちは!
南大泉せき動物病院です![]()
今回は、犬猫の膀胱結石についてお話させて頂きます。
人でも聞いた事のある方が多いのではないでしょうか![]()
結石とは?
結石とは、尿路(腎臓、尿管、膀胱)の中で尿に含まれる物質が結晶化し、
タンパク質などと結合して固まったもののことです!
結石はその構成成分によって多くの種類がありますが、
犬と猫で多く見られるものを紹介したいと思います![]()
〈ストルバイト結石〉
→リン酸アンモニウムマグネシウムを成分とする結石で、尿路結石の3〜5割を占めています。
膀胱で大型の結石を形成しやすい傾向にあります!
〈シュウ酸カルシウム結石〉
→ストルバイト結石と同様に、尿路結石の3〜5割程度を占めています。
小型の結石を複数形成する傾向にあります!
〈尿酸塩結石(尿酸アンモニウム結石)〉
→いくつか種類がありますが、多く発生するのは尿酸アンモニウム結石です。
大きな特徴として、X線透過性なのでレントゲン検査やCT検査では検出されません!
原因は?
尿のphが酸性かアルカリ性に傾いていると、結石のもととなる結晶が形成されます![]()
アルカリ性だとストルバイト結石が、
酸性だとシュウ酸カルシウム結石や尿酸アンモニウム結石が形成されやすいです!
※尿管や尿道で結石が形成されることは稀であり、
多くは腎臓か膀胱から結石が流れて停留したものです![]()
症状は?
症状は結石のできる場所や大きさによって異なります![]()
〈膀胱結石〉
→結石の種類や大きさによっては頻尿、しぶり、排尿痛、血尿などが見られます。
〈腎結石〉
→特徴的な症状はありませんが、長期間の停留は腎盂腎炎や
CKD(慢性腎臓病)の原因になることがあります。
〈尿管結石〉
→片側の尿管が閉塞した場合、
血尿や疼痛が見られることがありますが、多くは明らかな症状は見られません。
→両側の尿管が閉塞した場合、
急激な尿毒症となり、速やかに閉塞が解除されないと死に至ることもあります。
〈尿道結石〉
→尿道での閉塞を起こすと、長時間の排尿姿勢、
トイレに行っても排尿されない、排尿痛などが見られます。
診断方法は?
尿沈渣の顕微鏡では典型的な形状の結晶が観察されるため、
尿検査を行うことで結晶の種類がわかります![]()



また、エコー検査やレントゲン検査で結石の有無を確認することができます![]()
治療方法は?
〈ストルバイト結石・尿酸アンモニウム結石〉
→内科的な溶解が可能なため、専用の療法食に変更したり、サプリを使うことをおすすめします。
〈シュウ酸カルシウム結石〉
→内科的には溶解できないため、臨床症状が強い場合は外科的な対応が必要になります。
予防法は?
結石は形成されてしまうと溶けるまで時間がかかることが多く、
療法食やサプリを食べてくれない子も少なくありません。
また、溶けないものの場合は症状によって外科的な処置が必要となってしまいます![]()
そのため、結晶のうちに結石にならないように気をつけることが重要となります!
お家でできること![]()
⬇︎
📍お水をよく飲めるようにする
→水分をとることで固まって結石になるのを防ぎます
病院で相談![]()
⬇︎
📍サプリや療法食を開始する
→尿検査で結晶が発見されたら、予防的に始めるのもオススメです
まずは普段の尿や飲水量で気になることがあれば動物病院を受診していただき、
必要な検査を先生と相談してみましょう![]()